ソフトSM講座6 | アダルトグッズなら「女性も安心KIYO」


第6講:身近なものを使って
◎失敗した前歴がある場合
これまでの講座では、SMに全く初(うぶ)な女性をいかにうまくリードしてソフトSMに関心を持たせるかということをいろいろな方面から書いてきました。
 ただ一つ、大切なことを書き落としていたことに気が付いたので、先に進む前にここで補っておきましょう。
 それは、既にSMに失敗した前歴のある女性の場合です。
以前付き合っていた男性から、いきなりSMを仕掛けられ、その時の恐怖の体験から、SMと聞いただけで拒絶反応を示すような女性の場合です。
こういう場合は、初な女性より、ずっと難しいものです。
これまでこの講座で説いてきたような、じっくりと、少しずつ恐怖心や心配を取り除いていくというテクニックがスムーズに使えないのです。

 ただ、全く手だてがないわけではありません。男性側が、その失敗した時の様子を少しずつ、うまく聞き出して上げるのです。「思い出すのもいや!」と最初から突っぱねられる心配もありますが、駄目元で話を聞いて上げてはいかがでしょうか。
人に話すことで、胸の内にたまっていたものが吐き出され、すっきりした気持ちの白紙状態に戻る…ということもなくはないものです。
 話を聞き出すときは、同情を含んだ相槌をうまく打って、相手が更に先を、更に詳しく話したい気分に誘うようにします。そして、できれば、その嫌だった失敗の経験の中から、快感のひとかけらでも拾い出せるようにできれば、大成功です。
例えば、…:
男:「ひどい奴だなぁ、それは。いきなり縛られたのか…。それで、そのまま、放っておかれたの?」
女:「ううん。じゃなくて、こんどは、胸の所にジャムをベタベタ…」
男:「それで?…舐められたの?」
女:「そ。何だか、とっても気持ち悪くて…」
男:「気持ち悪いだけだった?」
女:「冷蔵庫から出したばっかりのジャムでしょ。最初、ひやっとして…」
男:「それが、いつもと違って、気持ちよかった、ってわけだ」
女:「気持ちよくはなかったけど、何か、変な気分…」

 こんな具合に、異常な体験を告白させながら、相手をマイナスの状態から白紙状態へ、そしてできれば、プラスの状態まで引き上げていくのです。
 「この前のときは、失敗だったけれど、その失敗の中でも、快感が全くないわけではなかった…」と前向きに考えてくれるようにし向けられれば大成功です。
◎身近なものとは?
 さて、身近なものを使ってソフトSM体験の導入へ…と一口に言っても、うっかりしたものは使えません。
 先回も書きましたが、野菜、果物、そして上の会話例にも出てきたジャムやバターはよくソフトSM入門書に出てきますが、食べ物という余りに日常的なもののために、SM体験という非日常体験の世界にはかえって馴染みません。
 また、洗濯挟みもよく出てきますが、これは、普通バネが強すぎて、ハードSMの世界ならともかく、ソフトSM、しかも入門期には避けるべきです。
一般に、痛みを伴うものは、ソフトSMの入門期は避けた方が無難です。
「痛みがなくて何がSMか!?」と、SMのプロの方には叱られそうですが、痛みは中級以上の話。このシリーズでは、それ以前の段階の話です。
 先回も書いたように、「男性自身」以外は、「女性自身」にとって全て「異物」となります。
逆に言えば、有りとあらゆるものがソフトSMの道具となる可能性はあるわけです。
けれどもやはり、適不適はあります。そこで具体的に二三のものについて考えてみましょう。
◎手ぬぐい(またはタオル)
 これは万能です。どこにでもあって、しかも複数見つけるのは実に簡単です。
よく使われるのは、縄やロープ代わりに、手首、足首を縛るのに使えます。
麻縄などと違って、元来が肌を拭くためののものですから、肌に傷を付ける心配はありません。
また、適度に幅があるので、荷造り用のナイロン紐などと違って筋肉に食い込みすぎる心配もありません。

 ただ、短すぎるのが欠点です。何本か縛り合わせて繋ぐことになりますが、そうすると今度は結び目がごろごろして縛る側も縛られる側もあまり快適とは言えません。

 また、単独で猿轡にも使えます。豆絞りの手拭いで猿轡をされた女性の悶え苦しむ様子に思わず固唾を呑んだ経験は、SM愛好者なら誰しも覚えがあるはずです。

 ただ、男性にとって、魅惑的な猿轡も、女性にとっては非常に苦しく、入門期にはお勧めできません。
特に、口紅が崩れるので、女性の美感を逆撫ですることになります。

 また、手拭いやタオルで、目隠しをする、というのがあります。「目隠しをされると、神経が性感に集中して感度がもの凄く上がる…」などというのは、SM入門書の常套台詞ですが、初めての場合、むしろ不安感、恐怖心ばかりが高まってしまいます。
視力を奪われれば、本当に何をされるか分からない訳ですから、不安はいやが上にも高まってしまいます。
それでなくても、SMという異次元の世界に初めて足を踏み入れようという女性の場合、目隠しをされるのは、「怖い…」という気持ちが先に立ってしまって、まずいのです。
女性がよほど大胆で、しかも相手の男性に、文字通り心も体も任せ切る心の準備がある場合を除いて、目隠しは避けた方が無難です。

 結局、安心して拘束するには、凝ったものでなくてもいいから、やはり専門のSM拘束具が最低でも1組は必要、ということになります。

 それまでは、むしろ、「これ、やり難いなぁ…」とか、「これじゃすぐ解けちゃうなぁ…」とか、手拭いやタオルの使いにくさを、女性と共に確認して、愛嬌のある失敗を繰り返し、「やはり本物を買おうか…」という相談まで持っていくのがベストでしょう。
◎筆や刷毛
 意外に使われていないのに、ことのほか効果的なのが、絵筆やペンキ塗装用の刷毛です。これなら、驚くほど多種多様なものが、文房具屋やペンキ屋で安価に手に入ります。種類が多くて安いとなれば、いろいろなものを複数用意することが可能になります。特に、柔らかめの毛のものと、硬めの毛のもの、細いものと、太いもの、平たい幅広のものと、丸く細長いものなど、取り混ぜて用意しておくとよいでしょ
う。
 そして、これで、身体の隅々を撫で梳き回すのです。左右の両手を使って、2カ所を同時に責めるというのもよいでしょう。最初は、撫でる場所によって、擽ったがることもあるでしょうが、そうした場合は、性感帯を同時に別の刷毛で梳いて、気分を高め、擽ったい気分を逸らし、忘れさせます。

 丸く先の細い筆は、アヌス責めにもってこいです。特に愛液で濡れて、毛先が細くまとまった先で、アヌスの中心に回転するように責められて、平気でいられる女性は皆無といっていいでしょう。
 刷毛の動かし方の基本は、先回のフィンガープレイの場合と同様です。つまり、体毛の生え方に逆らう向きに撫で上げ、また、周囲から中心へという求心的動きをメインにします。

 また、愛液で濡れそぼった穂先を女性の目の前にちらつかせて、「こんなに悦んでしまったんだね、ただの筆だけなのに…。」などと、相手の女体が、心ならずも見せてしまった反応の証をしっかり確認させるようにしましょう。
女性は、そういった形で、自らの屈服と崩壊の姿を網膜に焼き付けられて、被虐感の虜になっていくものなのです。

 なお、SMビデオの中には、女性に自身の愛液を舐めさせる場面がある場合がありますが、入門期にはあれはお勧めできません。「汚い、気持ちが悪い…」という嫌悪感が先立ってしまって、せっかくの官能的な気分の酔いを醒ましてしまうという逆効果が生まれてしまいます。

 また、先ほど、目隠しは駄目、と書きましたが、もし視覚をどうしても奪いたいなら、「目を瞑って…。そのまま、何をされても、『よし』というまで、目を開けては駄目だ」と、命令してはいかがでしょうか?
女性が相手の男性を本当に信頼していれば、目を閉じてくれるでしょう。また、この程度の、相手の自由意志を尊重した服従の命令から入っていくことこそ、ソフトSMを成功させる秘訣なのです。
◎バイブレーター
バイブレーターと言えば、このホームページをご覧の方々は恐らく大人の玩具としてのバイブレーターを思い描くでしょう。この大人の玩具のバイブレーターについては、次回以降、詳しく書きますが、今回ここで言うバイブレーターとは、一般の家庭電器店で市販されている、肩凝り用の普通のバイブレーターのことです。
 最近のように、パソコンやコンピューターゲーム機がどの家庭にも普及してくるとそれに合わせて肩凝りも、昔なら老人しか悩みを訴えなかったのが、今では若い人まで、肩凝りに悩まされています。そのため、肩凝り用バイブレーターはごく普通の家電製品の一つになっています

 大人の玩具のバイブレーターに関心のある人なら、誰しも、この肩凝り用バイブレーターを代用できないかと考えることでしょう。現に、SMビデオの中には、肩凝り用バイブレーターを責め具として使ったものも少なくありません。
 けれど実際に使ってみればすぐ分かることですが、肩凝り用のものは、震動が強すぎて、乳房にしろ、股間にしろ、女体の最も繊細で敏感な部分に対しては不適当なのです。大人の玩具のバイブレーターに相当慣れた、−−あるいは慣れすぎて鈍感になってしまった−−場合ならともかく、最初から肩凝り用の強烈な刺激だと、「バイブレーターは痛いもの」という、困った先入観を植え付けかねません。
おまけに、肩凝り用のものは音がかなり大きく、その音だけで、一種の恐怖感を懐く場合もあります。

 ただ、これも、上記の手拭いやタオルの場合と同じで、「専用のものでないから、うまく行かない…」という合意を取り付けるための過程と割り切れば、用途は充分にあります。
つまり、「これは肩凝り用だから、強すぎて、痛いんだ。専用の大人の玩具なら比較にならないほど、気持ちよくなれるよ…」と相手の合意を取り付けるように運ぶのです。

 拘束具の場合もバイブレーターの場合も、相手に内緒で用意し、いきなりそれを使う、というのは、小説やビデオなら場面の急転換ということで面白いかもしれませんが、日常の生活の中で、合意と信頼関係の中でのソフトSMとなれば、やはり二人で相談の上、用意する、というのがベストでしょう。だいぶ慣れてきて、むしろ「マンネリかな?」という時になって、女性には内緒で用意した新しい玩具で責めて、お互い新鮮な気分になるのがよいでしょう。マンネリ対応の手だてを、まだ入門期で先取りする必要はありません。
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